課題管理表テンプレート無料|放置される課題をなくす列の決め方と、毎週の回し方

登録なしで使える無料の課題管理表テンプレート(Excel)を配布。書き込む列は10個で、経過日数と期限切れの件数は自動で出ます。課題とToDo・リスクの分け方、優先度の決め方、毎週の回し方も解説します。

この記事でわかること

  • 無料の課題管理表テンプレートは書き込む列が10個。経過日数と未完了・期限切れの件数は自動で出る
  • 書くのは、すでに起きていて誰かが決めるまで作業が止まることだけ。ToDoとリスクは別に管理する
  • 優先度は節目が動くかで決め、週に1回、期限切れ・14日以上・優先度が高の課題だけを見る

どろん先輩

PM・企画職専門の転職エージェント「ネコノテキャリア」の中の人。オブラートに包まない物言いが持ち味で、相場も裏事情も聞かれれば正直に話す。少し口が悪い。

はじめ

SIerの開発リーダー4年目。前任から、お客さまとの定例で使う120行の課題管理表を引き継いだ

目次
  1. 無料の課題管理表テンプレート(Excel)
  2. 課題管理表に入れる列は10個。課題とToDo・リスクは分ける
  3. 課題の書き方は、何が止まっているかと完了条件まで書く
  4. 優先度は、節目が動くかどうかで決める
  5. 毎週の回し方は、赤・橙・高の3つだけを見る
  6. 閉じた課題は、WBSと変更の判断につないでから閉じる
  7. 参考データと出典
  8. よくある質問

課題管理表を作っても、3週目には誰も開かなくなる。行は増えるのに閉じる課題は少なく、定例のたびに「この件、どうなってましたっけ」と同じ確認を繰り返す。

この記事では、書き込む列を10個に絞り、長く残っている課題が自動で目立つ無料の課題管理表テンプレート(Excel)を配ります。列の決め方と毎週の回し方は、PM専門の転職エージェントのどろん先輩に聞きました。

はじめ(お客さまとの定例の課題管理表を任されたSIerの開発リーダー4年目)

前任から引き継いだ課題管理表が120行あって、半分以上が「対応中」のままなんです。どれが本当に生きているのか、もう分かりません。

どろん先輩(PM専門エージェント)

よくある形です。課題管理表が止まる理由はたいてい2つで、課題ではないものまで書いてあることと、誰が閉じるのかが決まっていないことです。

列を増やす前に、何を書く表なのかを決めてください。

無料の課題管理表テンプレート(Excel)

ネコノテキャリアの課題管理表テンプレートは、登録なしで無料でダウンロードできるExcelファイルです。書き込む列は10個で、起票からの経過日数と、未完了・期限切れ・長く残っている課題の件数は自動で出ます。

課題管理表テンプレート(無料、登録なし)

課題管理表テンプレートの課題管理表シート。No、起票日、課題、優先度、課題オーナー、期限、ステータス、完了条件、対応メモ、完了日、経過日数の11列。完了の行は灰色、期限切れは赤、14日以上残っている課題の経過日数は橙

Excelファイル(.xlsx)です。「使い方」と「課題管理表」の2枚のシートが入っています(画像は「課題管理表」シートのイメージ)。

Excel版をダウンロード

中身は「使い方」と「課題管理表」の2枚のシートです。「課題管理表」シートには、WBSテンプレートと同じ架空の社内システム刷新プロジェクトの課題を11件入れてあり、2026年11月2日を今日とした状況にしています。課題の中の「WBS No.14」などは、WBSテンプレートの見本のタスクを指しています。

色意味
期限の欄が赤期限を過ぎて完了していない
経過日数の欄が橙起票から14日以上たって完了していない
優先度の「高」が赤字決まらないと、リリース日などの節目が動く
ステータスの青・赤青は対応中、赤は回答待ち(ほかの人や会社の返事を待っている)
行が灰色完了

3行目には「未完了 8件 | 期限切れ 1件 | 14日以上残っている 2件」のように、件数が自動で出ます。書き換えや社内での配布は自由です。ブログや社内資料で紹介するときは、このページへのリンクを添えてください。

課題管理表に入れる列は10個。課題とToDo・リスクは分ける

課題管理表のテンプレートの列は、No、起票日、課題、優先度、課題オーナー、期限、ステータス、完了条件、対応メモ、完了日の10個です。書くのは、すでに起きていて、誰かが決めるか動くまで作業が止まる、または止まりそうなことだけにします。

列書くこと書き方の決まり
No課題の背番号一度振ったら変えない
起票日課題として書いた日経過日数はこの日から数える
課題何が起きていて、何が止まっているか止まっている作業があれば、WBSのNoも書く
優先度高・中・低節目が動くかどうかで決める
課題オーナー解決まで責任を持つ人1人だけ。決める人か、決める人を動かす人
期限いつまでに決めるか作業の期限ではなく、決める期限
ステータス今の状態未対応・対応中・回答待ち・完了から選ぶ
完了条件何が起きたら閉じるか誰が見ても判断できる形で書く
対応メモ次の一手と日付「11/5に再確認」のように日付を入れる
完了日閉じた日入れると経過日数が止まり、行が灰色になる

「課題管理表」の検索上位の記事を読むと、列の数は記事ごとにばらばらで、多いものは起票者、分類、背景、原因区分、対応方針、進捗率まで並べています。このテンプレートに起票者と分類の列がないのは、毎週の判断に使わないからです。代わりに、上位の記事のテンプレートには見当たらなかった完了条件の列を入れました。

はじめ

ToDoも課題管理表に入れていました。「〇〇さんに資料を送る」みたいなものです。

どろん先輩

120行に増えたのは、たぶんそのせいです。やることが決まっている作業はToDoで、WBSかタスクの一覧に書きます。課題管理表に書くのは、まだ誰も答えを持っていないことだけです。

まだ起きていない心配ごとも分けてください。「連携先の回答が遅れるかもしれない」はリスクで、回答の期限を過ぎて実際に遅れたら課題に移します。

プロジェクトマネジメントの知識体系をまとめたPMBOKガイドの第8版も、用語集で課題とリスクを分けています。課題は目的に影響しうる、いま起きている状態で、リスクは起きるかどうか分からないが、起きれば目的に影響する出来事です(編集部訳)。

種類例書く場所
課題社内SSOの方式が決まらず、認証の設計が止まっている課題管理表
ToDo比較表を情報システム部長に送るWBS、タスクの一覧
リスク連携先の仕様書が期限までに届かないかもしれないリスクの一覧。起きたら課題管理表へ移す

どろん先輩

書くか迷ったら、書いてかまいません。そのかわり、週に1回の見直しで、ToDoならWBSへ、リスクならリスクの一覧へ移す。課題管理表に残すのは、答えを待っているものだけにしてください。

課題の書き方は、何が止まっているかと完了条件まで書く

課題は「何が起きていて、何が止まっているか」を1〜2文で書き、完了条件には、何が起きたら閉じるかを誰が見ても判断できる形で書きます。課題オーナーは作業をする人ではなく、決める人か、決める人を動かす1人です。

列止まりやすい書き方閉じられる書き方
課題SSOの件社内SSOの方式(ADとつなぐか、外部の認証サービスを使うか)が決まらず、認証・権限の設計(WBS No.16)が止まっている
課題オーナー情シス、開発チーム渡辺(情報システム部長に決めてもらうところまで責任を持つ)
完了条件方式の決定情報システム部長が方式を決め、定例の議事録に残る
対応メモ確認中10/27に比較表を部長へ提出。11/4の部会で決める予定

はじめ

完了条件まで書くのは、少し大げさな気がします。

どろん先輩

書かないと、閉じる日が来ないんです。「方式の決定」だと、部長が廊下で「Aでいいんじゃない」と言った時点で閉じたのか、議事録に残った時点なのか、人によって違う。閉じたつもりの課題が、2週間後に「やっぱりBで」と戻ってきます。

課題オーナーも同じです。「開発チーム」と書いた課題は、誰も自分の担当だと思いません。部長に決めてもらう課題なら、オーナーは部長に材料を出して、決める日を押さえる人。名前は1人だけにしてください。

編集部の見立てでは、課題管理表が止まるのは、書いた課題を誰がいつ閉じるかが決まっていないからです。課題オーナーと完了条件の2つの列は、そのために入れています。上位の記事には「担当者と期限を書く」とあるものが多い一方、閉じる条件まで書く例はほとんどありませんでした。

優先度は、節目が動くかどうかで決める

課題管理表の優先度は、高を「決まらないとリリース日や判定会議などの節目が動く」、中を「手戻りや遅れは出るが節目は動かない」、低を「今月の作業は止まらない」と決めます。緊急度と重要度の感覚で付けると、人によって判断が割れるからです。

優先度決め方見本の課題
高決まらないと、リリース日や判定会議などの節目が動く既存データの約40項目が、新しいデータ構造のどこに入るか決まらない(No.6)
中手戻りや遅れは出るが、節目は動かない移行するデータの範囲が決まっていない(No.7)
低今月の作業は止まらない年末年始の休業中に統合作業を進めるか(No.10)

はじめ

高・中・低って、結局みんな高を付けたくなりませんか。

どろん先輩

なります。だから感覚ではなく、優先度は、緊急かどうかではなく、節目が動くかどうかで決めるんです。「この課題が決まらないと、2月のリリース判定会議の日付が動くか」と聞けば、答えは動くか動かないかの2つに割れます。

見本だと、既存データの項目の件はデータ構造の設計が遅れている原因で、その後ろのAPI設計とデータベースの構築が始められていない。だから高です。テスト環境のサーバー費用も困る話ですが、12月の環境構築までに決まれば節目は動かないので、中にしています。

高の課題が増えて同時に進められなくなったら、いちばん早い節目に効くものから順に、決める人の予定を押さえます。全部を高のまま並べておくと、どれから決めるかを決める人がいなくなります。

毎週の回し方は、赤・橙・高の3つだけを見る

課題管理表は、週に1回、定例の前にPMが期限の赤、経過日数の橙、優先度の高の3つだけを拾い、課題オーナーに次の一手と日付を対応メモへ書いてもらうと回ります。全件を読み上げる定例は、件数が増えるほど長くなって続きません。

  • 期限が赤い課題: 課題オーナーに、決まらない理由と新しい期限を聞く。期限を延ばすときは、延ばした理由を対応メモに残す
  • 経過日数が橙の課題: 2週間以上動いていない。決める人が違っていないか、課題を小さく分けられないかを見直す
  • 優先度が高の課題: 決める人の予定が押さえられているかを確かめる
  • 3行目の件数(未完了・期限切れ・14日以上)を、週次の進捗報告にそのまま書き写す

はじめ

期限が過ぎたら、新しい日付に書き換えればいいですか。

どろん先輩

書き換えてかまいません。ただ、それで期限の赤は消えますが、経過日数は消えません。

期限を3回延ばした課題は、期限の欄は白くても、経過日数が40日になっている。期限は書き換えられても、起票日から数えた日数は書き換えられないんです。経過日数の列を自動で出すようにしたのは、そのためです。

どろん先輩

橙にする日数を14日にしているのは、毎週の定例なら2回続けて動かなかったことになるからです。定例が隔週なら28日に変えてください。3行目の数式と、経過日数の列の条件付き書式にある14を書き換えます。

3行目の件数を毎週の報告に書き写しておくと、件数の移り変わりが残ります。未完了の件数が毎週増えているなら、課題が見つかる速さに、閉じる速さが追いついていません。編集部の見立てでは、そのときに足りないのは作業する人より、決める人の時間であることが多いです。

閉じた課題は、WBSと変更の判断につないでから閉じる

課題を閉じるときは、決まったことをWBSや計画に反映してから完了日を入れます。範囲や納期、費用が変わる決定なら、課題管理表の中だけで閉じず、変更の判断として発注者や上長の承認を取ります。

決まったこと次に直すもの
作業のやり方や担当が決まったWBSのタスク、タスクオーナー、期限
新しい作業が増えたWBSにタスクを足す
範囲、納期、費用が変わる変更の判断として承認を取り、計画書とWBSを直す

はじめ

お客さまと共有している課題管理表に、社内の話を書いてもいいんでしょうか。人が足りない、とか。

どろん先輩

分けてください。お客さまと共有する表には、お客さまに決めてもらうことと、知らせる必要があることだけを書きます。社内の体制の話は社内用の表に書く。同じファイルの中でシートを分けると、うっかり一緒に送りやすいので、ファイルごと分けるほうが安全です。

議事録から宿題や未決事項を拾って課題管理表へ移す手順は、議事録のタスク管理にAIを使う方法にまとめています。編集部の目安では、課題が100件を超え、複数のチームが同時に書き込むようになったら、課題管理のツールに移るのを考える頃です。決まっていないことが積み上がって案件が動かなくなっているときは、プロジェクト炎上の立て直し方の手順を先に見てください。

参考データと出典

データ内容時点・条件
PMI『PMBOKガイド』第8版用語集の課題(issue)、リスク(risk)、課題ログ(issue log)の説明2025年発行の英語版。訳は編集部
「課題管理表」の検索上位の記事上位10件(本文を読めなかった1件を除く9件)の列の構成と内容2026年11月に編集部が確認
テンプレートの見本架空の社内システム刷新プロジェクトの課題11件実在のプロジェクトではない。2026年11月2日を今日とした状況
テンプレートの画像「課題管理表」シートの中身ファイルの中身と色の決まりを表に描いたイメージ。2026年11月2日を今日として描いた

よくある質問

課題管理表テンプレートは無料で使えますか?

無料で、登録もいりません。Excelファイルをダウンロードして、そのまま使えます。書き換えや社内での配布も自由です。

課題管理と、タスク管理やリスク管理は何が違いますか?

課題管理で扱うのは、すでに起きていて、誰かが決めるか動くまで作業が止まることです。やることが決まっている作業はタスク(ToDo)としてWBSで、まだ起きていない心配ごとはリスクとしてリスクの一覧で管理し、リスクが実際に起きたら課題管理表へ移します。

課題管理表の優先度はどう決めればいいですか?

決まらないとリリース日や判定会議などの節目が動くものを高、手戻りや遅れは出るが節目は動かないものを中、今月の作業が止まらないものを低にします。緊急度と重要度の感覚で付けるより、人による判断の差が小さくなります。

課題管理表が形骸化するのはなぜですか?

編集部の見立てでは、ToDoやリスクまで書いて行が増えることと、誰がいつ閉じるかが決まっていないことが主な理由です。課題オーナーを1人にして完了条件を書き、週に1回、期限切れと長く残っている課題と優先度が高の課題だけを見る運用にすると、止まりにくくなります。

課題管理表はお客さまと共有してもいいですか?

共有してかまいませんが、社内用の表とはファイルを分けます。お客さまと共有する表には、お客さまに決めてもらうことと、知らせる必要があることだけを書き、社内の体制や人の話は社内用の表に書きます。

この記事は、PM・PdM・企画職専門の転職支援「ネコノテキャリア」と業務委託の案件紹介「ネコノテエキスパート」を運営する株式会社スナネコが、実務知見に基づいて制作しています。

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