PMOの副業単価は?土日・週1稼働の相場と案件事情
PMO副業の単価を稼働パターン別に整理します。時給の幅と決まり方、土日・週1案件の実情、単価を上げる面談のポイントをPM専門エージェントが対話形式で解説します。
この記事でわかること
- PMO副業の報酬は時給×稼働時間で決まり、時給の目安は4,000円台から1万円超
- 土日だけで完結する案件は少なく、平日30分の定例参加ができると候補が大きく広がる
- 単価は入り口の面談でほぼ決まる。推進型の役割と成果物の約束が交渉材料になる
永瀬
PM・企画職専門の転職エージェント「ネコノテキャリア」の中の人。オブラートに包まない物言いが持ち味で、相場も裏事情も聞かれれば正直に話す。少し口が悪い。
ふたば
事業会社のIT部門で働くPMO3年目。平日はフルタイム勤務で、まずは土日か週1日から副業を始められないか検討している。
目次
ふたば(副業を考えている現役PMO)
永瀬さん、PMOとして働いて3年になります。土日か週1日くらいで副業を始めたいんですが、正直いくらになるのか想像がつかなくて。
永瀬(PM専門エージェント)
先に結論。PMO副業の報酬は「時給×稼働時間」、それだけです。求人サイトを何時間眺めても、この2つの数字を知らないと何も決められません。自分の時給レンジと、無理なく出せる月の稼働時間。話はそこからです。
PMO副業の時給はどのくらいか
ふたば
時給って、どのくらいの幅があるものなんですか?
永瀬
4,000円台から1万円超まで、正直ピンキリです。安い方に合わせる必要はないですよ。参考までに、私たちのネコノテエキスパートは100万円/人月未満の案件は扱いません。月160時間で割ると時給約6,250円。フル稼働水準の数字ですが、副業でもこの前後を基準にしていいです。
ふたば
その幅は、何で決まるんでしょう。経験年数ですか?
永瀬
年数はほぼ関係ないです。効くのは役割です。議事録と進捗表の更新で終わる「事務局型」か、課題を先回りして潰しにいく「推進型」か。同じPMOという肩書きでも、推進型は事務局型の1.5〜2倍の時給がつきます。面談で経歴を聞いていても、単価が伸びる人は例外なく推進型の実績を話せる人ですね。年数だけ長い事務局型は、きつい言い方をすると値段がつきません。
土日・週1稼働だと月収はいくらになるか
ふたば
私は平日フルタイムで働いているので、出せるのは土日のどちらか1日だと思います。月収はどのくらいになりますか?
永瀬
週1日=月32時間として、時給5,000円なら月16万円、6,250円なら月20万円です。稼働パターン別に整理するとこうなります。
| 稼働パターン | 月稼働時間 | 時給5,000円 | 時給6,250円(100万円/人月の水準) |
|---|---|---|---|
| 週4時間(土日の半日) | 約16時間 | 8万円 | 10万円 |
| 週8時間(週1日相当) | 約32時間 | 16万円 | 20万円 |
| 週16時間(週2日相当) | 約64時間 | 32万円 | 40万円 |
報酬は時給と時間の掛け算でしかないので、表の数字自体に意外性はありません。判断が分かれるのは、この稼働で入れる案件が実際にあるのか、という点です。
土日・週1案件のリアル
ふたば
数字は現実的ですね。ただ、この稼働時間で入れる案件って、実際どのくらいあるんですか?
永瀬
はっきり言って、土日だけで完結する案件はほとんどないです。プロジェクトは平日に動いているんだから、当たり前ですよね。発注側は平日に接点を持てる人を優先します。数が少ないところに希望者が殺到するので、土日限定の募集は倍率がえげつないことになります。
ふたば
それを聞くと、現実的には厳しい気がしてきました…。
永瀬
あきらめるのは早いです。面談で通る人がよく使う手が「作業は土日、同期は平日の朝か夜に30分だけ」という形です。週次定例に30分だけ顔を出す。それだけで候補になる案件の数がまるで変わります。
発注側の不安は「平日に連絡がつかないこと」だけなんですよ。そこさえ潰せば、土日メインでも普通に戦えます。
単価を上げるには何が効くか
ふたば
始めるなら、なるべく高い時給で入りたいです。交渉のポイントはありますか?
永瀬
単価は入り口で9割決まります。契約してから上げようとしても、まあ上がりません。勝負は最初の面談です。効くのは2つ。事務局型ではなく推進型の役割を取りにいくこと、成果物を具体的に約束することです。
ふたば
成果物というと、どんなものですか?
永瀬
「会議体の再設計」「課題管理の立て直し」みたいな、形が残る仕事です。時間を売る人は時給で値切られる。成果で語れる人は時給の天井が外れる。それだけの話です。
ふたば
案件はどこで探すのがいいでしょう。
永瀬
知人経由、副業マッチングサイト、エージェントの3つです。単価と役割の交渉を自分でやりたくないなら、エージェントに丸投げするのが早いですよ。安い案件を掴まされたくないなら、単価の下限を保証しているところを選んでください。
副業PMOはどこまでの仕事を任されるのか
ふたば
そもそも副業のPMO案件って、どんな仕事を任されるんですか?フルタイムのPMOと同じことを短い時間でやるイメージですか?
永瀬
違います。副業市場に出てくるのは「切り出せる業務」に絞られた案件です。典型は3つ。週次定例の運営(アジェンダ設計とファシリテーション)、課題・リスク管理表の整備と運用、経営向け進捗レポートの作成。どれも成果物と締め切りが明確で、非同期で進められる仕事です。
逆に、毎日の朝会に出るとかメンバーの稼働管理みたいな「常駐前提」の仕事は、副業には来ません。
ふたば
それなら、土日+平日30分でも回るイメージが湧きました。
永瀬
発注側も切り出す前提で募集していますからね。ただ、たまに「PMO業務全般をお願いしたい」みたいな範囲の曖昧な募集が混ざっています。業務範囲が曖昧な副業案件は、単価がいくら高くても受けてはいけません。稼働が際限なく膨らんで本業を侵食して、最後は両方壊れます。募集文の業務内容が具体的に列挙されているかは、単価より先に見るべきポイントです。
契約と両立でつまずかないために
ふたば
契約面で気をつけることはありますか?業務委託の契約を結ぶこと自体が初めてで。
永瀬
副業PMOの契約はほぼ準委任、つまり時間ベースの精算です。「月32時間想定で△万円」という形ですね。契約前に見るのは2つで、精算幅と、超過時の扱いです。
副業トラブルの定番は「32時間想定のはずが実働40時間、でも報酬は据え置き」というやつです。超過分をどう精算するか、文面で確認してから判を押してください。口頭の「そんなに働かせませんから」は契約ではありません。
ふたば
本業の側で先にやっておくことはありますか?
永瀬
就業規則の確認と、申請が要るなら申請です。案件が決まってから慌てて申請する人が多いんですが、順番が逆です。承認を待つ間に案件は他の人に決まります。探し始める前に済ませておく。それだけで動けるスピードが変わります。
よくある案件の型と報酬イメージ
ふたば
具体的には、どんな案件が多いんですか?イメージできる例がほしいです。
永瀬
時給相場と稼働時間の組み合わせで見ると、よくある型は2つです。あくまで構成のイメージとして見てください。
| 案件の型 | 稼働の目安 | 月額の目安 | 主な業務 |
|---|---|---|---|
| 全社プロジェクトの事務局支援 | 週8時間(土日+平日夜) | 16万〜25万円 | 週次定例の運営、課題・リスク管理、進捗レポート |
| 情シス部門のベンダー管理支援 | 週4時間 | 8万〜13万円 | ベンダー定例の設計、検収観点の整理、報告資料化 |
ふたば
下の型なら、かなり無理なく始められそうです。
永瀬
実際、最初の1本は小さい方をおすすめしています。副業は「受かること」より「回し続けること」の方が難しいので、小さく始めて実績と生活リズムを作ってから広げる。これが遠回りに見えて一番速いです。
応募から稼働開始までの流れ
ふたば
実際に始めるとして、応募から稼働開始までどのくらいかかるものですか?
永瀬
エージェント経由なら、登録→キャリア面談→案件提案→企業側面談→契約→稼働開始という流れで、早い人で2〜3週間、普通は1〜2か月です。
副業で詰まりやすいのは企業側面談の日程です。先方が平日日中しか対応しない場合、ここで2週間溶けることがあります。昼休みか朝夕に面談枠を作れるか、先に確認しておいてください。
ふたば
面談では何を聞かれるんでしょう。職務経歴の深掘りですか?
永瀬
経歴より「稼働の現実性」です。本業との両立プラン、平日の連絡手段、本業の繁忙期にどうするか。発注側が一番恐れているのは、稼働開始の3か月後に「本業が忙しくなったので辞めます」と言われることなので。
逆に言うと、稼働計画を具体的に語れるだけで、経歴が同レベルの競合候補に勝てます。副業の選考は、スキル勝負の前に「続けられる根拠」の勝負です。
初月の動き方で継続が決まる
ふたば
無事に案件が始まったとして、最初に気をつけることはありますか?
永瀬
初月で信頼を作れるかどうかで、継続も単価交渉も全部決まります。副業PMOは働きぶりが見えにくいので、意識して見える化してください。具体的には3つ。議事録は会議の当日中に出す。課題表は毎週決まった曜日に更新して、更新したことを通知する。月末に「今月やったこと・変わったこと」を1枚にまとめて送る。
ふたば
思っていたより、地味ですね…。
永瀬
地味ですよ。でも、これをやる副業PMOがほとんどいないから差がつくんです。続いている人は例外なくこの手の報告習慣を持っています。逆に、どれだけ優秀でも動きが見えない人は、翌月の契約更新で静かに切られます。副業は選考を通るより、継続される方が難しい世界です。
継続後の単価交渉はどう切り出すか
ふたば
入り口で決まるという話でしたが、続けた後に単価を上げる余地はまったくないんですか?
永瀬
ゼロではないです。ただし切り出し方を間違えると、上がらないどころか更新自体が怪しくなります。タイミングは契約更新の1か月前。材料は「今月やったこと・変わったこと」の月次レポートの積み重ねです。初月から報告習慣を作れと言ったのは、実はこのためでもあります。
言い方は「時給を上げてほしい」ではなく「この範囲まで役割を広げるので、この金額にさせてほしい」。金額だけの交渉は嫌われますが、役割拡張とセットの交渉は通ります。発注側も、できる人に仕事を寄せたいのは同じなので。
ふたば
交渉の材料も、初月から仕込んでおくものなんですね。
永瀬
そうです。交渉の場で強い人は、交渉が上手いんじゃなくて、材料を持っているだけです。
ふたば
やることが整理できました。まず就業規則を確認して、稼働計画を作って、小さい案件から始めてみます。
永瀬
それでいいと思います。付け加えるなら、最初の案件は金額で選ばないこと。初月の報告習慣で信頼を作れば、単価は後からついてきます。焦って高い案件に飛びつく人ほど、3か月で消えていきますから。
副業ではなく正社員としての収入から考え直したい場合はPMOの年収相場を、この先のキャリアの広げ方はPMOのキャリアパスを参考にしてください。
よくある質問
土日だけでPMO副業はできますか?
可能ですが、土日だけで完結する募集は少なめです。平日の朝か夜に30分の定例参加ができると、応募できる案件の幅が大きく広がります。
PMO副業の時給はいくらが目安ですか?
案件と役割によって4,000円台から1万円超まで幅があります。ネコノテエキスパートの取扱基準(100万円/人月以上)を時給に換算すると約6,250円で、これを1つの基準にできます。
副業PMOの契約形態は何が多いですか?
ほぼ準委任契約(時間ベースの精算)です。月の想定稼働時間と精算幅、超過時の扱いを契約前に文面で確認してください。
会社の許可は必要ですか?
就業規則によります。副業申請が必要な会社なら、案件を探し始める前に申請を済ませておくのが安全です。承認を待っている間に案件は埋まります。
副業から業務委託中心の働き方に移るタイミングは?
副業収入が本業の3割を超えたあたりが検討ラインです。単価と稼働の実績が積み上がっていれば、フリーランスPMOとして独立する選択肢も現実味を帯びてきます。
この記事は、PM・PdM・企画職専門の転職支援「ネコノテキャリア」と副業・業務委託の案件紹介「ネコノテエキスパート」を運営する株式会社スナネコが、実務知見に基づいて制作しています。