プロジェクトマネージャーの職務経歴書|書き方・例文
プロジェクトマネージャー(PM)の職務経歴書を、経験者向けに解説。職務要約・案件詳細・自己PRの記載例、管理業務を実績に変える書き方、数字がない場合の伝え方、スキルシートとの使い分けをまとめました。
この記事でわかること
- 案件の規模に加え、自分の担当範囲・課題・行動・確認できた結果を示す
- 職務要約・案件詳細・自己PRの記載例を、自分の経歴と説明できる事実に置き換える
- 実績の数字を推測せず、当初の条件と変更後の条件、チームの成果と自分の役割を分ける
永瀬
PM・企画職専門の転職エージェント「ネコノテキャリア」の中の人。オブラートに包まない物言いが持ち味で、相場も裏事情も聞かれれば正直に話す。少し口が悪い。
ふたば
SIerで開発経験7年、うちPM3年。初めての転職に向けて職務経歴書を作り始めたが、案件ごとの違いや自分の実績をうまく書き分けられずにいる。
目次
プロジェクトマネージャー(PM)の職務経歴書は、担当案件と管理業務を並べるだけでは、任されていた仕事の難しさが伝わりません。案件の規模に加えて、自分が受け持った範囲、直面した問題、選んだ対策、確かめられた結果を書きます。この記事では、経験者向けに職務要約と案件詳細の記載例、実績を数字にできない場合の書き方を紹介します。
ふたば(SIerで開発経験7年、うちPM3年)
職務経歴書を書いたら、どの案件も「進捗管理、品質管理、顧客折衝」になりました。やってきた仕事は違うのに、同じ説明に見えます。
永瀬
作業の名前で整理すると、そうなります。採用する側が知りたいのは、次の案件を任せたときに何ができるかです。まず、説明しやすい案件を一つ選びましょう。いちばん大きな案件でなくても構いません。
ふたば
受注管理システムの刷新なら、途中で要望が増えて、リリースする範囲を決め直した話があります。
永瀬
それなら、何を根拠に決め直したかまで書けますね。この記事では、その場面を使って記載例を作ります。以下の経歴・人数・期間・結果はすべて説明用の架空例です。自分の書類では、実際に担当し、説明できる内容に置き換えてください。
PMの職務経歴書に書く項目と、読む順番
ふたば
まず、どんな順番で書けばいいですか。案件一覧から始めています。
永瀬
最初に短い職務要約、その次に得意な領域、続いて会社ごとの職歴と案件詳細を置くと、全体像をつかんでから実績を読めます。技術経験と資格、自己PRも整理します。応募先に指定の様式があれば、それに合わせてください。
dodaのPM向け書き方ガイドでも、経験した業界や分野、案件の金額・人数などの規模を示すことが挙げられています。そのうえで、規模の中で自分が何を担当したかを明らかにしましょう。
| 項目 | 書くこと | 読み手が確かめられること |
|---|---|---|
| 職務要約 | 経験年数、担当領域、PMとしての役割、代表的な実績 | 応募する仕事との接点 |
| 活かせる経験 | 業務知識、経験工程、得意な管理業務 | 任せられる仕事の範囲 |
| 職歴・案件詳細 | 在籍期間、案件の目的、期間、体制、自分の役割と成果 | 経験の具体的な裏付け |
| 技術経験・資格 | 使用技術、担当した作業、使用時期、保有資格 | 技術をどの深さで理解しているか |
| 自己PR | 応募先に活かせる強みと、その根拠となる案件 | 次の仕事でも使える能力 |
ふたば
開発経験はPMになる前の話です。古いので削ってもいいでしょうか。
永瀬
詳細を短くすることはできますが、消す前に応募要件を見てください。設計のレビューや開発チームとの議論を求める求人なら、何を設計・実装した経験があるかは判断材料です。「Javaを使用」とだけ書くより、「受注処理の設計と実装を担当。PM就任後は実装を担当せず、設計レビューに参加」と分けたほうが、現在の役割まで伝わります。
ふたば
管理に関わった人数も、案件全体の人数で書いていました。
永瀬
全体の人数と、自分が直接取りまとめた人数は分けましょう。「プロジェクト全体30名、担当チーム8名」と書けば、範囲が見えます。また、案件の作業を割り振った経験と、人事評価や育成を担当した経験は別です。人の評価をしていないのに「組織マネジメント30名」と書くと、面接で説明が食い違います。
職務要約と案件詳細の記載例
ふたば
職務要約から見本があると助かります。長くなってしまうんです。
永瀬
要約では、経歴を全部説明しようとしないことです。読む人が「この人のどの案件を詳しく見ようか」と見当をつけられれば役割を果たします。下の例なら、業務領域と開発経験、PMとして担当した範囲が読み取れます。
職務要約の記載例(架空)
SIerにて7年間、卸売業向け業務システムの開発に従事。設計・実装・テストを経験した後、直近3年間はPMとして要件定義から本番移行までを担当しています。受注管理システム刷新では、8名の開発チームを取りまとめ、顧客との要件調整、工程計画、課題管理を担当。追加要望が発生した際は、初回稼働に必要な機能を顧客と再整理し、段階導入への変更を合意しました。
ふたば
「高い調整力があります」と書かなくても、調整した内容で伝えるんですね。
永瀬
そうです。ただ、この要約だけでは、変更後にどうなったかはまだ分かりません。案件詳細で補います。体制や使用技術のような基本情報と、問題にどう対処したかという説明を分けると、探しやすくなります。
案件詳細の記載例(架空)
| 項目 | 記載例 |
|---|---|
| 期間・目的 | 2024年4月〜2025年4月。卸売企業の受注管理システム刷新 |
| 体制・役割 | 開発チーム8名のPM。要件定義から本番移行までを担当 |
| 担当範囲 | 工程計画、課題管理、要件変更の影響調査、顧客との範囲・納期調整 |
| 技術・環境 | Java、PostgreSQL。PMとして設計レビューとテスト計画の確認を担当 |
| 課題 | 要件定義中の追加要望により、当初の範囲のままでは初回稼働日に間に合わない見込みとなった |
| 行動 | 要望ごとに業務開始への影響と開発工数を整理。段階導入案を作成し、顧客の業務責任者と後続対応の範囲・時期を調整 |
| 結果 | 月末の受注処理に必要な機能を初回稼働日に提供。分析帳票は合意した翌月のリリースで対応し、残課題を運用担当へ引き継いだ |
ふたば
予算が入っていませんが、金額が分からない場合は空欄でいいですか。
永瀬
管理していない予算を推測して書く必要はありません。把握していて開示できるなら載せ、そうでなければ期間、チーム規模、担当工程で説明します。案件総額を知っていることと、予算を管理したことも別です。実績欄には、自分が実際に行った見積確認や変更時の費用調整を書いてください。
ふたば
私は段階導入を提案しましたが、最後に承認したのは顧客の部長です。
永瀬
そこも分けて書きます。「影響を整理し、段階導入案を提示。顧客の業務責任者の承認を得て計画を変更」とすれば、自分の提案と相手の承認が両方伝わります。PMだからといって、あらゆる決裁を自分で行ったように見せる必要はありません。
管理業務を実績に書き換えるには
ふたば
別の案件には、段階導入ほど大きな話がありません。普通に進めた案件は弱いですか。
永瀬
大きな問題が起きなかったことにも、理由があるかもしれません。試験の前に環境の準備を確かめた、担当間の受け渡しをそろえた。そうした行動を振り返ってください。ただし「問題がなかった」ことだけで、自分の対策が効いたと断言はできません。実施した対策と確認できた結果をつないで書きます。
| 作業名だけの記載 | 行動と結果を示す記載例(架空) |
|---|---|
| 進捗管理を担当 | 接続試験に必要なデータの準備遅れを確認。顧客の担当者と提出日を再設定し、先に実施できる試験へ順序を変更した |
| 品質管理を実施 | 同じ原因の不具合が繰り返されたため、レビュー観点を追加。修正対象を確認し、再試験後に完了を判定した |
| 顧客折衝を担当 | 営業部と管理部で異なっていた承認条件を整理。両部長と例外処理の運用を合意し、要件を確定した |
ふたば
行動の後に「大幅に改善」と付けていました。数字がないと弱く見える気がして。
永瀬
根拠のない「大幅」は、むしろ説明しづらくなります。「誰も担当を決められていなかった作業について、担当部署と引き継ぎ条件を決めた」なら、何が変わったかは分かるでしょう。工数や不具合件数の記録がある場合は、その数字で補えます。記憶だけで改善率を作らないでください。
ふたば
数字がある場合も、書き方に注意が必要ですか。
永瀬
比べる条件をそろえます。例えば「問い合わせが半減」でも、利用者自体が減ったなら、説明したい改善とは違います。対象の業務、比較する期間、集計方法が同じかを確かめてから書いてください。結果がチーム全体の成果なら、そのことを明記し、自分が担った対策を続けます。
ふたば
遅延を立て直した案件は、遅れた事実まで書いたほうがいいでしょうか。
永瀬
書きます。当初より納期を延ばしたなら、「納期を守った」とだけ書かず、「当初計画からの遅延を受け、顧客と再合意した期限で移行を完了」とします。当初の条件と変更後の条件を分けると、立て直しの仕事を正確に説明できます。未完了の課題が残ったなら、それをどう引き継いだかも書けます。
応募先に合わせて、詳しく書く案件を選ぶ
ふたば
経験した案件は全部、同じ量で載せるべきでしょうか。
永瀬
経歴の連続性は分かるようにしつつ、応募先と接点が強い案件を詳しく書きます。大型移行を任せたい求人に対して、小さな新機能の改善だけを長く説明しても、相手の疑問に答えられません。求人票の担当業務と必須経験を横に置き、それぞれを説明できる案件を選んでください。
| 応募先で任される仕事 | 詳しく書く経験 | 面接前に確かめること |
|---|---|---|
| 受託開発のPM | 見積、要員計画、品質・納期管理、変更調整 | 担当工程と案件全体への責任範囲 |
| 事業会社の業務システムPM | 業務要件の整理、部門間の合意、移行と定着 | 稼働後の業務改善まで担当するか |
| 自社サービスの開発PM | 開発計画、チーム間調整、リリース判断の準備 | PdMや開発責任者との役割分担 |
ふたば
事業会社へ応募したいのですが、導入後の売上まで追えていません。
永瀬
追っていない売上を成果に置き換えてはいけません。利用部門の困りごとをどう整理したか、受け入れ条件をどう決めたか、運用担当へ何を渡したか。自分が関わった地点までを具体的に書き、その先は未経験だと説明します。転職先に何を求めるかは、SIerから事業会社PMへの転職で扱っています。
ふたば
PMOの仕事も兼ねていた時期は、どう見せればいいですか。
永瀬
時期と役割を分けます。「PMとして担当チームの計画を管理し、全社の報告書式の整備はPMO業務として担当」のように書けば、仕事を過大にも過小にも見せずに済みます。支援業務を中心に整理するなら、PMOの職務経歴書の書き方も参考になります。同じ言葉でも、誰の判断を支えたかによって説明が変わります。
提出前に、面接で説明できる書類へ仕上げる
ふたば
書けることが増えた反面、今度は長くなってしまいました。
永瀬
同じ強みを繰り返している案件から短くしましょう。要約は経歴の入口、案件詳細は根拠、自己PRは応募先での使い道です。同じ文章をそれぞれに貼ると、分量だけが増えます。自己PRは、詳しく載せた案件を一つ根拠にして、任される仕事へのつながりを短く書くと整理できます。
自己PRの記載例(上記の架空案件に対応)
業務開始に必要な条件を整理し、開発範囲を合意することが強みです。受注管理システム刷新では、追加要望を業務開始への影響で整理し、顧客の業務責任者と段階導入を合意しました。業務部門と開発チームの間で優先順位をそろえた経験を、貴社の基幹システム刷新における要件調整に活かしたいと考えています。
ふたば
スキルシートも提出するなら、職務経歴書とは別に書きますか。
永瀬
スキルシートは技術や案件経験を一覧で確認するために使われることがありますが、求める形式は会社ごとに違います。二つ提出するなら、期間、役割、人数、使用技術を一致させてください。職務経歴書では判断と結果、スキルシートでは経験工程や技術の詳細を補うと整理しやすいです。
ふたば
顧客名や金額は、どこまで載せてよいか迷います。
永瀬
公開できる範囲を勤務先の規定と照らして確認します。顧客名を伏せるだけでなく、システム名、案件金額、障害の詳細などから特定されないかも見てください。業種や担当業務に置き換えて説明できる部分はあります。社内の計画書や顧客資料を、そのまま添付する必要はありません。
ふたば
最後に、どこを見直せば提出できますか。
永瀬
各案件について「なぜその対策を選んだのか」「誰が決めたのか」「どう結果を確かめたのか」を、口に出して説明してみてください。書いてあるのに説明が止まる箇所は、表現が強すぎるか、根拠が抜けています。職務経歴書と面接で、同じ仕事の話ができる状態にする。そこまで整えたら、応募先の指定形式とファイル名を確かめて提出します。
参考データと出典
公開情報の確認日:2026年9月17日。書類の項目と基本的な整理方法は以下を参照しました。本文の書き換え例・職務要約・案件詳細・自己PRは当編集部が作成した架空例で、実在の候補者や当社の支援実績ではありません。採用結果を保証するものではなく、自分の担当範囲を正確に伝えるための例です。
- doda「プロジェクトマネージャーの職務経歴書テンプレートと書き方ガイド」:経験領域と案件規模の記載、書類の基本項目を参照。
- マイナビ転職「プロジェクトマネジャー・リーダーの職務経歴書」:開示可能な範囲での案件情報、得意分野と実績の示し方を参照。
よくある質問
PMの職務経歴書には何を書けばよいですか?
職務要約、活かせる経験、会社ごとの職歴と案件詳細、技術経験・資格、自己PRを整理します。案件詳細には、目的と規模、自分の担当範囲、課題、行動、確認できた結果を書きます。応募先に指定の様式がある場合は、それに合わせてください。
売上や工数削減の数字がなくても、PMの実績を書けますか?
書けます。要件が確定した、部門間で運用を合意した、移行条件を整えたなど、確認できる変化を具体的に示します。数字を載せる場合は、対象・期間・集計方法を確認し、記憶だけで改善率を作らないでください。
顧客名や案件金額は必ず載せる必要がありますか?
必須ではありません。公開できる範囲を勤務先の規定と照らして確認し、業種、期間、チーム規模、担当工程などで仕事を説明します。自分が管理していない予算や、開示できない金額を推測して載せないでください。
PMの職務経歴書とスキルシートは、どう書き分けますか?
提出先の指定を優先します。両方を提出する場合は、職務経歴書で課題・判断・結果を説明し、スキルシートで案件ごとの技術や経験工程を補うと整理しやすくなります。期間、役割、人数などの事実は一致させてください。
この記事は、PM・PdM・企画職専門の転職支援「ネコノテキャリア」と副業・業務委託の案件紹介「ネコノテエキスパート」を運営する株式会社スナネコが、実務知見に基づいて制作しています。